難波一族記【1】~経遠編~ 第六章 保元の乱・決戦
6.保元の乱・決戦 「三郎、此度の戦は今までとは訳が違うぞ。敵には清盛公の叔父君もおられる。源氏に至っては親子が敵味方に分かれておるのじゃ」 そこへ、瀬尾兼康が大きな足音を立てて現れる。 「おい、難波殿! いつまで話し込んでおる! 出陣じゃ!」 経遠は静かに立ち上がり、太刀を手に取る。 備前の海で数々の海賊を討伐し、平家の侍大将にまで上り詰めた経遠だが、都での本格的な戦は勝手が違う。 今宵、刃を交える相手の中には、かつて同じ都を守った武士たちもいる。 「三郎、兼康殿。何としても生きて帰るぞ」 経遠の言葉に二人は頷きました。 やがて、都の夜空を焦がす戦火が上がり始めた。 ※この物語はフィクションです。